搬送されたのは親父の病院。 廊下の長椅子に座っていると 親父が出てきた。 「父さん!母さんは!?」 俺は親父の元へかけよった。 「ガンだ。」 「え…で、でも、治るんだろ?」 一瞬ためらったが当時の俺は 父さんは治してくれるという 根拠の無い自信があった。 「…もって二ヶ月だな。 無理しなけりゃ助かったのによ。」 親父はあきれたように呟いた。