テニス部、
キャプテンも
副キャプテンもいないなんて、
いったい、どうしちゃったの??

「沙南、そろそろだよ?」

羽瑠が耳元でひそっとつぶやいた。

「へっ?」

「そ・ろ・そ・ろ・テニス部の部室、
行ってみたら?
こっちは、四人でフォローしとくから!!」

羽瑠が、私の耳をつかんで言った。

「あぁ、ぅん・・・。」

とにかく私は、
テニス部の部室に行くことにした。

行ってみたら、

「よぉっ」って、

私に笑いかける祥平が
いるかもしれないし・・・。

そ、そうだよね。

祥平、体育館には来てないけど、
部室にいるかもしんないんだよね。

それなら、早く行かなきゃ。

行って、 祥平の話し、
ちゃんと聞かなきゃ。