「ちゃんと渡したんだろうな?」

男は、
脅すように 女をにらみつけながら、
低い声で確認した。

「う、うん、大丈夫。
ちゃんと渡したよ。 確認も取った。」

女は、
怯えるように男を見上げると、
震える声で答えた。

もう、 後戻りできない。

バレたら アタシは終わり。

でも、 だいじょうぶ。

あいつは鈍いし、
ばかみたいに人を信じるから、
自分が何をしたかなんて わかってない。

気づいた時には・・・ もう遅い。