<沙南side>

祥平に手紙を渡して帰る道。

久しぶりに
二人で帰るんだって思うと、
うれしさを隠せなかった。

きっと私、笑ってる。

待って、待って!!

変ににやけていない??

いつものようにヘン顔的な笑いに
なっていないかな??

あぁぁ!!

鏡で自分の顔、 映してみたいのに。

カバンから鏡を取り出すのも
変に思われるし。

帰り道にお店の窓とか顔映せるの、
ないのォ~!!

「サナギ、なにキョドってんの?」

「なっ、なんでもっ、ないよ??
キ、キョ、キョドッてなんかいないし。
うん!」

祥平の声にびっくりして、
声までうらがえる。

これじゃ、不審人物だよ、私!