「さなぎの
とぼしいボキャブラリで、
こんなに感謝されたら、仕方ねぇな。」

そう言うと、
祥平は手紙を受け取ってカバンにしまった。

翔平、ありがと。

ほんとに これで最後にする。

もう、 自分の気持ち抑えてまで、
こんなこと、しない!!
つぎに 手紙を渡す時は、自分のにする。

薄暗くなった空に
星が輝きはじめ、
三日月のあかりに
二人のシルエットが浮かび上がっていた。

この時、
私は、
なぜ祥平が手紙を受け取ってくれたのかも、
これから二人が
あんな変な事件に
巻き込まれることになることも
想像できなかった。