また涙があふれ出す。

沙南の頬を伝った涙は、
ぽたっぽたっと、
あとから、
あとからひざに落ちた。

「もう、いやだ、
学校、行きたくない・・・」

沙南は、思わずつぶやいた。

夕暮れの風がぬれた頬をくすぐる。

さわやかな風なのに、
今の沙南には、
そよぐ風も わずらわしく感じた。

みんなにも合わす顔がない。

みんな・・・
ごめん・・・
みんなが、
あんなにがんばってくれたのに、

ダメだった・・・
私・・・
私・・・
ふられちゃったよ・・・
ふっ、うっ、っく・・・
涙はとまらない。

止めようとも思わない。

自分のために こうして
思いっきり泣いたって、
いいよね。