Hello my sheep

◆◇◆





「あ、おはよ〜」



醍が身動きすると、八鹿独特の少しローテンポな柔らかい声がかかった。

しばらく虚ろに天井を睨んでいた醍だったが、一度深く深呼吸をしながら起きると、低く現時刻を尋ねた。


「5分前くらいに4限の終業ベルが鳴ったところかなぁ」


入学式の時も確かお昼頃に起きた。
4時間くらいか。

ここ一週間の完全にいつも通りだった生活を振り返っても、やはり八鹿が原因のようだ。
横目で八鹿を見る。

稚気のある顔で微笑む顔は自然で繕っている気配はない。
醍にとってその印象は好印象にあたるものだったが、それと同時に眠る前程ではないがまぶたが重くなる感覚がする。


それだけを確認すると醍は別段八鹿に声をかける気もなくベッドから下りる。



「あっ醍くん、伊田先生が起きたら自分か杉崎先生のとこに行きなさいって〜」


追いかけてくるふわふわした声音に返事は返さずに保健室を出、教室ではなく職員室の方向に向かう。



「八鹿もなんか用事あンの」

「あは、私も呼ばれてるの〜」


見なくても声音から八鹿が笑っているのがわかる。
毒気のない奴。と端的に内心で彼女を評す。

甘く感じる声も媚びている印象がないのが奇妙だった。