ちっぽけな幸せを君に

 「今は鎮静剤で眠っていますので、目が覚めたらまた検査します」


 診察室を出た俺は流歌の義父と一緒に屋上へ出た。


 空は嘘のように晴れ渡り夏の日差しが容赦なく俺達の肌を焼く。


 「まずは自己紹介でもしとくか。俺は時任一稀、流歌とは高校のクラスメイトで付き合ってる。ほとんど一緒に暮らしてるのと変わらない。そして、あんたの事も流歌から聞いてる、流歌に何をしたかも……」


 俺は自分でも驚くほど冷静に喋っていた。