ちっぽけな幸せを君に

 花火が散り始めたのは夏休み最後の日曜日だった。



 「もう少しだから」


 俺達は流歌の母親のお墓参りに町外れの墓地に来ていた。


 「いつも、おも、うんだけど、さ……何で墓地ってこん、なに広い、んだ?ハァハァ……」


 前を元気よく歩く流歌の後ろを息絶え絶えで俺はついていく。


 「かずきー!ここ、この列だから!」


 段々畑のような造りの墓地の端を通る階段の十段ほど上で流歌が手を振りながら叫ぶ。