ちっぽけな幸せを君に

 どのくらいの時間が経っただろう。おそらく10分にも満たない時間だったのだろうが、その何倍にも感じられた。


 謳い終えた女の子はゆっくりと振り返ると、表情を変えないまま言った。


 「そういえば自己紹介まだだったわね。霞 流歌(カスミルカ)よろしく、お隣りさん?」


 「は、はは……まさかお隣りさんだったとはな。通りで聞いた事のあるような声だと思った」