ちっぽけな幸せを君に

 なおも何か言っている二人を無視して俺は屋上へ向かった。


 さっきまで晴れていたはずの空には真っ黒な雨雲がかかり、まるで泣いているかのように大粒の雨を降らせていた。


 俺は雨に打たれるのも気にせずに屋上へ出ると、いつものように寝転がり目を閉じる。


 無数の雨粒が顔に当たり弾ける。自分が泣いているのかすらわからない。


 「……かずき」


 名前を呼ばれて目を開くと傘をさして綾香が見下ろしていた――