ちっぽけな幸せを君に

 「雨だと行かないんだ?」


 不思議そうにしている綾香に俺は少し考えてから言った。


 「綾香も今度一緒に行くか?」


 きっと後ろめたさがあったんだと思う。綾香と付き合っているのに、違う女の子の歌を毎日聴きに行く。


 話しをするどころか顔すら知らない、やましい事などあるはずもない。


 だが彼女である綾香の言葉は未だに俺の心に届かないのに、その歌声は難無く俺の心に響いたから――