ちっぽけな幸せを君に

 綾香と付き合ってから一ヶ月が過ぎ、季節も春から夏へと変わろうとしていた。


 俺は相変わらず昼休みのコンサートに通い、歌声に体を委ねていた。


 最初の頃はその事に不満を漏らしていた綾香も、次第に言わなくなっていった。



 ある雨の日の昼休み、コンサートも雨天中止なので教室にいた俺に綾香が話しかけて来た。


 「あれ?かずき、今日は行かないの?」


 「ああ、今日は雨だからな」