ちっぽけな幸せを君に

 「何度か面識があった私は、どうしてもほうっておけなくて――歌菜を預かる事にしたの」


 「そうだったのか……」


 「うん。初めて会った時の歌菜は全然喋らなくて……大人しい印象だった」


 今の歌菜からはとても想像出来なかった。歌菜はよく笑い、よく喋り、よく泣く。表情豊かな明るい子、俺にはそのイメージしかない。


 「生まれた時から目の見えない歌菜は、それだけできっと私達の半分は得るものが少ないと思うの」


 「得るもの?」