ちっぽけな幸せを君に

 「そう、それを知った日流歌は俺に『さよなら――』って言い残して消えた」


 早苗は言葉を失って、ただ肩を震わせる。


 「屋上、あそこが流歌と最後に別れた場所なんだ。今でもたまにあそこに行けば流歌に会えるんじゃないかって気がしてな――」


 「そう……だったんだ――」


 「俺は流歌をまだ愛してる……だから――」


 早苗は無理矢理笑顔を作って


 「ありがとう」


 と微笑んだ。