ちっぽけな幸せを君に

 そう言った歌菜は深々と頭を下げた。


 「あ、よろしく……どうして俺の事を?」


 「あの、私が一年の時に先輩が三年にいて……私が屋上で謳ってたら『上手いね』って言ってくれたんです!」


 俺は暫く記憶を辿り、ようやく頭の片隅から引っ張りだした。


 「ああ……あの時の」


 「覚えてて下さったんですか!?嬉しい……ありがとうございます!」


 そう言いながら歌菜はまた深く頭を下げた。