ちっぽけな幸せを君に

 俺の声に人影は振り返り言った。


 「……誰?」


 その顔を見てから俺は苦笑する。


 「いや――ごめん、人違いだ……」


 よく見れば流歌と似ても似つかない、しかも制服に身を包んでいるのだから流歌であるはずもない――


 「その声――もしかして時任先輩じゃないですか?」


 「え?あ、うん……そうだけど」


 「やっぱり!あっ……すいません!私、新川 歌菜(アラカワカナ)って言います」