ちっぽけな幸せを君に

 「意外と普通の教室なんですね」


 「そうだな――もっとこう……難しそうな本とか並んでるイメージだったんだけどな」


 みんなが好き勝手に話しているのを背に、俺は一人屋上へ出た。


 卒業してからもちょくちょく訪れている屋上――


 当然何も変化はない……


 はずだった。


 フェンスの前に人影、こちらに背を向けて――


 謳が風にのって流れて来る。


 流歌――