「とにかく、ダメ。せっかくウチにも慣れてきたんだし。せめて、私たちが卒業するまでは……いていいよ」
「なに優しくしてんの? つい最近まで、『出てけ』つってたヤツがさ」
「そうだけど。……悠馬くんの作ってくれる朝食とか、お弁当とか、毎日すごく楽しみなんだよね」
悠馬くんはちょっと面食らった顔をしてる。
「楽しみ?」
「うん。朝起きたとき、お弁当の蓋を開けるとき……。今日はなにかなって、ワクワクするよ」
「ははっ。オレって、それだけの存在価値?」
「……当麻くんが言ってたんだ。悠馬くんが料理好きだから、作ってもらうって」
「…………」
「それ聞いてから、もっともっと楽しみになったの。
私や当麻くんが食べてる顔を想像しながら、作ってくれたのかな、って」
「うぬぼれんなよな……」
悠馬くんはそう言い、いつもみたいにニラんでこなかった。
目線を合わさず、口を少し尖らせる。
その姿は、なんだか照れてるように見えた。
「なに優しくしてんの? つい最近まで、『出てけ』つってたヤツがさ」
「そうだけど。……悠馬くんの作ってくれる朝食とか、お弁当とか、毎日すごく楽しみなんだよね」
悠馬くんはちょっと面食らった顔をしてる。
「楽しみ?」
「うん。朝起きたとき、お弁当の蓋を開けるとき……。今日はなにかなって、ワクワクするよ」
「ははっ。オレって、それだけの存在価値?」
「……当麻くんが言ってたんだ。悠馬くんが料理好きだから、作ってもらうって」
「…………」
「それ聞いてから、もっともっと楽しみになったの。
私や当麻くんが食べてる顔を想像しながら、作ってくれたのかな、って」
「うぬぼれんなよな……」
悠馬くんはそう言い、いつもみたいにニラんでこなかった。
目線を合わさず、口を少し尖らせる。
その姿は、なんだか照れてるように見えた。


