足が震えてきちゃった……。

「触んなよ。ソレ、当麻先輩のオンナだから」

とっさに悠馬くんが助けてくれたけど、『ソレ』って。

「うわ、マジか!! ……へぇ。じゃ、彼女からも頼んでくれる?

悠馬がさ、オレの依頼受けてくんないんだよね~」

……依頼?




悠馬くんは私に背を向け、相手に

「……考えとくから。また、連絡するわ」

なんて言ってる。

「悪い話じゃねーからな。しばらくウチにいていーし。

あっ、当麻先輩の彼女……なにかあってもコイツんこと刺さないで下さいよ?」

……は?

「るせーな、さっさと失せろ」

「コイツ昔、当麻先輩のオンナに刺されてやんの。ま、お仕事だからしゃーねぇけどな。

オレのオンナはそこまでやんねーから、多分大丈夫」

……当麻くんの、元カノに?

刺された……って、なに!?




悠馬くんは私をチラッと見て、そのまま歩きだしてしまった。

……私はあとを、急いで追いかけた。