当麻くんは大きくため息をつき、しゃがんだ体勢のまま、頭をうなだれる。

「なんでオレなわけ? 鶴に聞いたぜ。キララ、結構モテんだろ。他のヤツにしろって」

「だって、当麻様はカッコいいもん。顔が超タイプなんだよね!

1日中、眺めてたいなぁ~」

あはは、まだ言ってる。

前に当麻くんのどこが好き? って話になったときも、

『顔が一番好き』って言ってたっけ。



「あっそ。じゃあ整形でもすっかな」

「えーっ、絶対ダメ!! そんなの私の好きな当麻様じゃなくなっちゃうよ」

あはは……やっぱり、顔なんだ?

どうしたら諦めてくれるんだろーね。




「あのな、キララ。恋愛って、ココでするもんだろ?」

当麻くんは、自分の胸に親指を突きたてる。

「わかってるよ。当麻様見たら、胸がズキュン! とするもん」

あってるような、そうでないような……。



「……とにかく。明日から弁当作ってくんなよ」

当麻くんは、なかなか引きさがらないキララちゃんに気を悪くしたみたいで、

ひとりで、先に校舎へ戻っていった。