「さや……抱きしめていいか?」
「……うん」
うなづくと、当麻くんは切ない表情で、私を正面からギュッと抱きしめてきた。
思ったより強い力で……一瞬息が止まりそうになる。
「……この1ヶ月、ずっと……しんどかった」
「どうしたの? 話して……?」
当麻くんの生乾きの髪に手をあて、ゆっくりと下へと撫でおろす。
「爺さんがさ、…………だった」
「えっ? よく、聞こえなかった」
当麻くんは私を更に力強く抱きしめ、声もなんだか震えている。
「お爺さんが、どうかしたの?」
最近具合が悪いみたいな事言ってたし、
最悪の事が、一瞬脳裏に浮かんだ。
でも……それなら、お兄ちゃんから伝わるハズだし、
そうではないよね? と自分に言い聞かながら、当麻くんの言葉を待った。
「爺さんの体から……癌が見つかった」
え?
「……うん」
うなづくと、当麻くんは切ない表情で、私を正面からギュッと抱きしめてきた。
思ったより強い力で……一瞬息が止まりそうになる。
「……この1ヶ月、ずっと……しんどかった」
「どうしたの? 話して……?」
当麻くんの生乾きの髪に手をあて、ゆっくりと下へと撫でおろす。
「爺さんがさ、…………だった」
「えっ? よく、聞こえなかった」
当麻くんは私を更に力強く抱きしめ、声もなんだか震えている。
「お爺さんが、どうかしたの?」
最近具合が悪いみたいな事言ってたし、
最悪の事が、一瞬脳裏に浮かんだ。
でも……それなら、お兄ちゃんから伝わるハズだし、
そうではないよね? と自分に言い聞かながら、当麻くんの言葉を待った。
「爺さんの体から……癌が見つかった」
え?


