「オレから離れたら……許さない」

最後は吐息交じりに呟くと、

当麻くんは、さっきとは正反対に、

そっと優しく唇を重ねてきた。

甘くてソフトな、心も体もトロけちゃいそうな、当麻くんの愛情たっぷりのキス。

キスの音が車内に響き、なんだかちょっとイケナイ雰囲気。

当麻くんの指が、私の胸へと伸びてくる……。




――パシッ!

「痛っ!!」

思わず、当麻くんの手を叩いた。

「もうっ! こんな所でダメだってば……」

「ん~、オレもうダメかも。タクシー拾って、違う場所行こーぜ」

当麻くん、私を抱きしめてそんなコト言い出す始末。

「家に帰ってからね? 明日旅行も最終日だし、ちょっとぐらい遅くなってもいいかな……」

「え、マジ!? やりっ! 最近ご無沙汰だからな。え、マジでいいん?」

もう、何回も聞かないでよ。

「うん……。その代わり、遅くなった言い訳、当麻くんからお兄ちゃんに、ちゃんとしてね?」

「了解!! 流星さんには土産をたくさん買って行くか」

テンションの上がった当麻くん、

やっとのコトで、タクシーをおりてくれた。