「そうだ、彩菜に『一緒に写真撮ろう』って言ってきた、横田くんってどのひと?」

私がそう言うと、彩菜の顔が真っ赤に染まる。

「ヤダ! さや、声大きいってば」

「フフッ。彩菜、顔が真っ赤!」

「ほっといてぇ。……あのね、一番うしろ、左から2番目の」



彩菜は照れながらも、ちゃんと教えてくれた。

黒髪短髪で、見た感じ、爽やかそうなイメージ。バスケ部なんだって。

今までも、ろう下ですれ違う時とか、よく目が合ってたらしく、

彩菜も気になってたみたい。




「じゃあ、彩菜も横田くんと喋ってみたら?」

「キャー、ダメダメ。私から話しかけるとか、できないよ」

彩菜……かわいい。

恋してるコってイイな。

自分のコトより、彩菜の恋を応援したくなっちゃうよ。

水族館で、彩菜も横田くんと話ができますように……。