「別にそーいうんじゃねぇだろ?」

「私の周りにも、そういう人がいればよかった」

そしたら当麻くんに聞かれてもアドバイスできるし……

って言おうとしたけど

当麻くんを見て、

しまった……

と、思った。




当麻くんは、冷たい目で私を見つめていて

「おい……そんな滅多なコト言うもんじゃないぜ?」

って、低い声でボソッと呟いた。

私……

今、なんて言った?





自分で言ったコトだけど、

軽いパニック状態。

具合の悪いお爺さんを持つ当麻くんに……

すごくひどいコト……

言っちゃった?




「……ヤベ、風呂入ってねぇわ」

「え……」

「大浴場、確かまだ開いてたよな。一般の客に紛れて入ってくっかな」

当麻くんは、怒ってるのか傷付いたのかわからないけど、

そのまま、スッと立ちあがった。