それに……神原さんとの誤解だって解けてないし。

プイと顔を横に背けると、当麻くんは私が向いた方の壁に頭をつけてきた。

目の前に当麻くんの顔。

なんだかちょっと潤んだような瞳。

だけど目元は笑みを含んでいて、見てるだけでドキドキしてくる。




……もう、そんな目で見ないでよ。

決心にぶっちゃう……。

思わず、目を下にそらした。

「なんかオレ、避けられてる?」

なにを今さら……。

心当たりナイって言うの?

「自分の胸に、よーく聞いてみてよ」

「え? 別になんもやましいコトねーけど」

嫌味言ってみたけど、

当麻くんにそんなのが通用するワケもなく。




「さて。時間ねぇし、そこの非常階段でいーから。なっ?」

「…………」

返答に困ってると、当麻くんの腕が、いきなり私の体を抱えあげた。

「えっ……ちょ、ヤダッ!!」