「ね~、剣豪見なかった?」

剣豪っていうのは、鶴剣豪くんといって……ウチのクラスの男子。

そして、月ちゃんの彼氏でもある。

付き合って3ヶ月のふたり。

照れ屋な鶴くんと、積極的な月ちゃん。

正反対のふたりだけど、今の所付き合いはうまくいってる。




「鶴くんはウチの班じゃないんだよね」

「さやの班だったら、誰かと交代してもらったのになぁ~」

月ちゃんが残念そうに言う。

ホントにね。そうだったらどんなにいいか……。

班決めを、名前順なんかにした先生を恨むよ。





「さや! 行くよ。首里城のチェックポイントの通過時間決まってるんだから。

モタモタしてらんない」

レナが私の所へやってきて、腕をグイと力強く引っ張られた。

月ちゃんが一瞬イヤな顔をしてレナに文句を言う。

「なんなの~? そんな勢いつけなくても……」

「あっそ、ゴメンね」