「それで、亜稀ちゃんはまだ自覚してないの」


「だから何を」


「善を好きだってこと」


「だから!!好きじゃないよ!!あたし、失恋したばっか」



月子ちゃんは頬杖をついてダルそうな目をあたしに向けた


「そんな目で見ないでよ」

「だぁって亜稀ちゃんが認めないからぁ。私は善が好きですーって叫べばいいのに」



教室でそんなことできるわけないでしょ!!


てか好きじゃないし!!

なんで分かってくれないの



そうは言っても確実に善を意識してる自分がいた