……ホンマ?
だって、キミが好きなんはボクやないの?
嫌い嫌い言いながら、いつもボクの後ろ追いかけてきててんやんか。
自分の中に、他人を深入りさすんが嫌いなボク。
せやから、いつも胡散臭い笑顔の仮面を付けて、他人が自分の中に踏み込めないようにしとった。
せやのに、キミはボクの仮面を剥がそうとする。
ボクん中に踏み込もうとする。
あんまりボクんこと知りたがるから、ついつい意地悪しとうなんねん。
ボクがキミとの間に線を引く度、キミはどーしょーもなく寂しそうな目ェをする。
それが可愛くて可愛くてしゃーなくて……。
せやから今回も、キミが追いかけてくるもんやと勝手に思い込んで、なんも言わんと軽ーい気持ちでキミの前から姿を消した。
待っててんで。
キミがボクの引っ越し先訪ねてくんの、ずっと待っててんで。
せやのに、何ヶ月経ってもキミが来ォへんから、しびれ切らしてボクがキミんとこ来てしもうたんや。

