ぜんぶ、嘘だったの?

好きだって言ってくれたことも、優しいキスも、この胸元のネックレスもすべて。


あたしをからかってたの......?

霧崎さんの言葉ひとつで一喜一憂して、どんどん好きになってくあたしを見て

嘲笑ってたの?


ひどすぎるよ......。

あたしが男の人にいっぱい裏切られてるって、知ってるくせに。


なんで?

そんな人だったの......?



つうと生温かいものが頬を伝った。

足に力が入らなくなって立っていられずに、しゃがみこむ。


そのとき、背後でエレベーターのチンという音が鳴った。