「そう言うフラグじゃないの?〝板の隙間から覗けば見えます〟って」
「ち…っ、違います!!」
フラグって…!何を言っているんだこの人は…っ!
彼にそう思われた悔しさと恥ずかしさに、私は首をブンブンと振って否定する。
「何だ、そうなんだ。俺はてっきり……」
「さ、先に浴びて来ます!!」
もうこれ以上、この羞恥には耐えられそうにないと、私は手渡された入浴グッズを取るものも取らず、裏口の方にある脱衣所へ駆け込む。
部屋が軋むほど勢い良く戸を閉め、ずるずるとその場に座り込んだ。
「……心臓止まる、かと思った」
彼といると、ただでさえ寿命が縮みそうなのに。



