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「シャワーとトイレは、好きな時に使っていいよ。寝る時は、適当にそこら辺に」
彼の指差した方角を見つめ、私は嫌な予感をひしひしと募らせた。
「シャワーって……もしかして、外?」
「そう」
やっぱり……!
昼間ここを訪れた時、周りの環境を少しだけチェックした。
その時、事務所の裏手側に、ベニヤ板を繋げて造っただけの簡素な囲いを見つけて、不審に思ったけど……
「む、無理です!あんな吹きっさらしの場所で、シャワーなんか浴びれません!!」
「大丈夫だよ。ここの周りに人いないし」
そ、それは、確かにそうだけども…っ…‥
「でも、もし誰か来たら……」
万が一と言う事もある。
「一応、外からは見えないようになってるよ」
「板の隙間から覗いたら、見えます」
「誰も見ないよ」
……な…っ!?
パソコン画面に集中しながら、カタカタとキーボードを打つ打つ彼が吐いた失礼極まりないセリフに、私は顔を真っ赤にしてわなわなと震えた。



