「やだっ、やめて!!!!」



公園の横を
通り過ぎようとしたとき



そんな声がきこえた。



男の人と…
服がはだけた女の人?



「誰かっ、助けて」



私に助けを
求めているようで…



足をそっちに向ける。



そして、
走り出そうとしたとき、



「何やってんだよ、お前は。」



そんな声がきこえた。



驚きながら
後ろを振り返ると



メガネをかけた
背の高い人がいた。



知らない人に
少し怖くなって



「や、やだ…誰?」



と、言った。



その人は
ハァ…と溜め息をし、



メガネを外した。



「これで解る?」



怒り気味の声に
慌てて首を縦にふる。



「空海くんっ、あのね…女の人が!!!」



急いで空海くんを声が
きこえる方へ連れて行き、



事情を説明した。



声がした、
女の人が叫んでいたと。



空海くんは
怖がりもしないで



女の人の元へ行き
男の人達を追い払った。



女の人は
空海くんに感謝していた。



スゴく、スゴく。



泣きながら。



その姿をみて、
私もあんなに素直だったら。



パパとママとハルに
ちゃんと言えたら…。



そんな事を
思っていると



いつの間にか
空海くんが隣にいた。