旅行バックを取り出し

必要な物を
おおざっぱに入れる。



なるべく静かに
なるべく早く…。



行く宛なんてないけど、
私が他人だって解った以上


迷惑かけちゃ
いけないって思った。



だから、
出て行く。



ハルには
一枚の手紙をかいた。



パパ達には
一言メモを残した。



「お世話になりました」



赤く腫れぼったい
目を擦りながら歩く。