「う…ゔぇ゙ぇ゙…。」
単車なんかじゃ全然酔わない俺が、アイツの荒い運転でもう、フラフラ…。
「弱い奴だな。」
「て、てめぇの運転が…うっぷ…荒すぎんやろうが!!」
マジメに…。
俺の親父でもこんな荒ないで!?
「さ、行くぞ。」
コイツ…!!
人をいたわる気持ちとか無いんか!?
「つーか、お前ここの生徒ちゃうんやろ?
何普通に入っとんねや?」
「そんなんどーでもいいじゃん。」
よし、コイツのあだ名をマイペース宇宙人に変えてやろう。
そう思って、ふと前の学校を見たら
「え?マジで?
金持ちの学校やん。
ピッカピカやん。
不良校とか絶対嘘やん。」
あの花より〇子みたいな豪華な校舎がずらり。
「諒。お前ほんとになんも知らないんだな。
ここはただの不良校じゃねぇんだよ。
大企業の坊っちゃん達の学校なんだよ。
だから下手に教師が指導できねぇの。」
「だったら、俺が指導してもダメじゃね?」
俺消されるかもやん!!
「大丈夫。
だからこそ組長の娘のお前が来てんじゃねえか。」
「そういう意味やったんか!?」
ようやく納得やわ…。
親父もコイツみたいにちゃんと説明しぃや!!
「そんじゃ、行くか。」
「へ?」
「もう時間がねぇんだよ。
行くのかい、行かないのかい。
どっちなんだい。」
「…行く。」
とりあえず今はコイツについていくしかないし。
俺、方向音痴やし。



