プルルルルッ

プルルルルッ

電話をし始めて、早3分。

待つのが嫌いな俺は早速苛立っていた。

「あ゙ぁー!!くそっ!!」

なんでアイツ出ぇへんのやッ!?

今は無性に"あそこ"に行きたいのに!!


「ゔぅー…。


……勝手に行っちゃうか。」


そうと決まれば、即行動や!!


ジャージに着替えて〜♪

お気に入りのスニーカー履いて〜♪


「〜〜〜♪」


「何鼻歌とか歌ってんだよ。
気持ち悪ぃ。」


「うっさいな。」

俺の勝手やろうが。



…ん?

俺、今誰と会話した?

ゆっくーり、ゆっくーり、確認するために声のした方に顔を向ける。


「…何しとんねん、お前は。」

「別に。」


そこには超無愛想な顔した美形君、もとい、黒瀬がおった。


「何しに来てん!?」

「だから別にっつってんだろうが。」

「"別に"っていう理由で、乙女の部屋に入ってもいいと思てんのか、てめぇはーッ!!」

「…自分で乙女って認めてんじゃん。」


「あ…。」

「……。」

「……。」

「……。」

「…あの、黙っててくださいね。」


沈黙に耐えられなくなった俺は、恐る恐る黒瀬にそう頼んだ。

せやのに。

「…ふっ。」


…鼻で笑いやがった。