「うん、じゃあ、翔に頑張ってあげてみよう!」
「そうだよ!葵はそうでなくちゃねっ」
せっかく、お母さんに教えてもらったんだから
翔にあげなくて、どうするの!
あたしは、自分に言い聞かせた。
「ところでさぁ」
紫帆がニヤニヤしながら、聞いてくるから、あたしは身構えた。
「え……、何?」
あたしの返事を待ってました!とでも言うように、紫帆は、話し出した。
「今回こそ、チャンスだよっ」
「チャンス………って何が?」
「もうっ、分かってるくせにっ。
だから、葵たちってまだ、ヤッてないんでしょっ」
ヤッてない………?
「え、えっ!」
紫帆が言ってることを、理解し始めたあたしは、顔が真っ赤になった。

