「だって、女の子みたいじゃん、そんなの」 本当に嫌だったと思うのに、翔は、怒らなかったし、あたしが“翔ちゃん”と呼んでも、笑いながら振り向いてくれた。 そして、小学3年生になったときから、翔が男の子に何か言われていたのを見つけてしまった。 「おまえさぁ、なんで女からちゃん付けで呼ばれてるの?」 「もしかして、本当は女なんじゃないの?」 あたしと翔は、いつでも一緒だったから、みんなもあたしが“翔ちゃん”と呼ぶのを知ってたらしい。