なんだか皆して、廊下の方を見てるような…?


熱い視線の矛先を辿るように、きょろきょろと頭を動かした。



……も…もしかして……あれ?



注目の的になっている2人組は、廊下の壁に背中を預けてなにやら話し込んでいた。


数枚のプリントを身長の高い人が持っていて、もう片方の人はそれを覗き込むようにしていた。


どちらも普通に引けを取らない、カッコよさ。


芸能人レベルかと言われたら頷けないけど、高校生の中ならかなりのハイレベルって感じ。



その、正体は―――




『(……夜錐先輩と、灘谷くんだ……)』




そうだとわかった瞬間、一気に脱力してしまった。


あの2人は、あんなとこで一体なにをしているの…?


それにめちゃめちゃ目立ってるけど、大丈夫なの!?





頼まれてもいないのにこっちがハラハラとしてしまって、結局2人が話し終えるまでずっと見てしまった。