『わかり、ました』
声が震えてしまわないかドキドキしながら、どうにか声を絞り出した。
灘谷くんは“また放課後”とだけ残して、表情を変えることなく立ち去ってしまった。
私の幸せ時間、終了…!
『(で、でも…あの灘谷くんが直接プリントを私に…!プリント持ってきてくれてありがとうございます、夜錐先輩!)』
心の中で土下座をするほど感謝して、私は大切にプリントを二つ折りにして鞄へしまった。
…はっ!
こんなにも灘谷くんとの接触を喜んでどうするの、私!!
諦める努力をするって決めたばかりじゃない!
ああああああっ…と自己嫌悪に陥っていると、クラスの女子がなんだかざわざわしていることに気付いた。
女子と言っても七鴇さんや月菜ちゃんみたいな彼氏持ちの子じゃなくて、いかにも独り身っぽい子ばかり。
な、なんだろ…?

