冷静なツッコミを返す夜錐先輩の姿が、どこか灘谷くんと重なった。
……確かによくよく考えれば、2人は似てるかもしれない。
夜錐先輩は眼鏡を掛けていないけど、髪は黒く艶やかに輝いている。
…いや、だからなに。
似てるからなに!!
『………あの、どういう状況ですか』
恐る恐る私の両脇に座っている2人に尋ねると、先に花寐先輩が口を開いた。
「いや、ね。僕たちはまだ少し話し合いがあったから、ここに残ってたんだけど」
そこで花寐先輩は、ちらりと夜錐先輩に目配せした。
それに応えるように、夜錐先輩が小さく頷いた。
「ああ。だけど山本さんに声を掛けても返事をしなかったから。別に追い出すこともないし、そのまま様子を見ることにしたんだ」
淡々と教えてくれる夜錐先輩の話を聞きながら、私は顔を真っ赤にしていた。
わ、私は一体なにを…!!
しかもよりによって、この有名な先輩2人に見られるとは…!

