…って!!



『(あああああっ…じゃないよ!なに残念がってるのよ、私!!)』



ブンブンっと勢いよく頭を振り、邪念もとい灘谷くんの存在を追い払った。


さっき諦めるって決めたばっかりじゃない!



『(ほんとにダメだ…)』



はぁあああ…と深く溜息を吐いて、頭を抱えた。



「山本さん、大丈夫?」


「頭、痛いの?」


『…へっ!?』



ガバッと顔を上げると、あんなに人が溢れ返っていた会議室は閑散としていた。


なんで誰もいないの!?


夜錐先輩と、花寐先輩以外!!



『な、ななななっ…!』



声にならない叫びを上げると、花寐先輩がくしゃりと破顔した。


初めて至近距離で見た笑顔に、どきりと心臓が跳ねた。




「あははっ!山本ちゃん、驚きすぎだよ」



「いや、普通は驚くだろ」