「ただいま」 「ん…おかえり」 気が付くと目の前には煉。 時計を見れば、自分の記憶よりも30分ほど進んでいる。 無意識に手を伸ばして、煉の服の裾を掴んだ。 「送ってきた?」 「ああ」 「ありがと」 「美姫もな。嫌な役回り、ごめんな」 「ううん」 告白された?…なんて訊けない。 そこに踏み込んだら、私の気持ちが溢れそうだから。 「送ったあとに、梓たちにも話はしといたから」 「ん、ありがと」