桜が散るように ー 新撰組 ー




桜をそっと敷き布団の上に寝かせ、山崎は足を崩してそばに座る。


少し、桜の顔に髪がかかっていたから、どけてやろうと手を伸ばす……が


桜が少し唸る。

そして


「――――――」


小さく、掠れた言葉を聞き、山崎は手を引っ込めた。

足音が聞こえてきたから、山崎は慌てて正座する。


と、同時に襖が開き、土方が入ってきた。


「……寝てるか」

「起こしますか?」

「いや、別に。かまわねぇよ」


土方は山崎の真正面に、胡座をかいて座る。


「して、用件とは?」


山崎が話を切り出す。



「あー、その、お前の言ってた、川瀬にやらせる実戦だが…」

「はい」

「案外……危険なモノになりそうだ」

「…はい」