桜が散るように ー 新撰組 ー





しばらく、沈黙が続いた。



それを破ったのは


「い、一本!勝者、川瀬 桜!」


我に返った土方の声、だった。





「か、勝った?……私が、沖田さんに?」


桜は少々、息切れをしながら言う。


沖田は、あーあ……、と残念そうに身にまとっていた防具をはずし始めた。



「女の子に、負けちゃいましたよ。土方さん。」


「だな。せいぜい精進しやがれ。」


「鬼の副長には労りの言葉すらないんですね。」


「鬼で結構。」



(そのうち角が生えちゃえば良いんだ。)

と、沖田は心の中でひっそりと思った。