「母、サクラの木を“人生”に例えていました。」 散ってしまっても、再び咲くサクラを、挫けても立ち直る。 そんな、人の人生に、桜の母は例えていたのだ。 「でも、私の考えは違うんです。」 「お前は、どう思ってるんだ。」 「“命”……です。」 散って、咲くのではなく 咲いて、散る。 「まるで、生まれて死んでいく命のようじゃないですか。」 そして新たな花が咲くのは、まるで受け継がれていく命のよう。