「なぜ……そう思うのですか?」 桜がそう聞くと、 土方は無言で桜の手を指差した。 そう 桜の手には“剣だこ”がある。 長年、剣道をしている証だ。 「……よく、気づきましたね。」 「酌するときに、見えたんだよ。」 どうやら、土方は酔っていても、鋭さは変わらないらしい。 「私の家、結構変わった家でして、小さい頃から鍛えられていたんです。」 そう、桜の家は変わっている。 剣道から、柔道、合気道、空手、そして――…忍法。 これら全てを 幼少の頃から叩き込まれるのだ。