「私が車道に出てしまったから……。」 だから両親が私をかばって死んだ。 なんで私は車道に出てしまったのだろう。 そうすれば両親も……。 「……あれ?」 そこで、はたと思いつく。 そうだ。 何故あのとき……“何故、私は車道に出た?” 横断歩道など無い道だった。 よほどのことが無い限り、車道になど出なかったはず。 あの事故の……全貌が分からない。 しかし、思いだそうとすると ――キィィイン 「いっ……!!」 頭が痛んだ。 それはまるで、何かを思い出すことを拒むかのように。