山崎も、自分がもう戦力にならないことは分かっていた。 うなずいた山崎を見て、土方は桜と視線を合わせて言う。 「俺は、北に行く」 「…土方さん」 「最後の戦いに、なるはずだ」 その言葉には、 お前は来るな。という科白が含まれていた。 「ご武運を、土方さん」 「山崎と幸せに、な」 そして船は港についた。 土方の姿を見たのは、これが最期になった。