桜が散るように ー 新撰組 ー




顔から火が出そうなほど熱い。

身体中の血液が集まってきたんじゃないかと思う。


「ややや山崎さん」

「……帰るか」

「そっ、そうですよ!今頃土方さんとか沖田さんが桝屋で鬼や阿修羅のごとく惨状を作り上げているでしょうから早く帰りましょう!」

「その言葉、御二人に伝えておく」

「え゙」


帰り道はぎこちなく、微妙な距離が二人に出来た。

それでも会話が途切れることはなく。


「今夜は満月だと良いですねー」

「どうでもいい」

「……」


夕焼けで作られた二人の影だけが触れあっていた。


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屯所に着くと、隊士が皆、バタバタとあわただしく動いていた。


「どうしたんでしょうね」

「大方、古高が何か情報を吐いたんだろう」

「古高…?ああ、桝屋の」


部屋に戻らず、広間に行くと、土方と沖田が居た。

土方は山崎と桜に気付き、声をかける。


「よお、戻ったか。急いでるから、ちょっと聞け」


そう言って、土方が語ったのは、今回の事の顛末。